【マメ知識】インフレと住宅ローンの関係-3

     
    自分でコントロールできること・できないこと前回の記事では、「自分でコントロールできること・できないこと」があり、「コントロールできないことは厳しい方に想定しておく」方が無難ではないか、というお話をしました。

    将来の景気・金融・財政の動向は、「自分でコントロールできないこと」の最たる例でしょう。

    ■関連記事 ⇒ 
    【マメ知識】インフレと住宅ローンの関係-まとめ
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    【マメ知識】インフレと住宅ローンの関係-3

    ■右図の出典 ⇒ ダイヤモンドオンライン
    史上最低金利が将来の悲劇に!? 住宅ローンの借りすぎは、家計に「時限爆弾」を仕込むのと同じ!


    さて、やっと本題(笑)の「インフレと住宅ローンの関係」の話ですが・・・

    結論を先にいいますと「インフレバイアスがある状況で変動金利で借りるのは、博打に近い」とけもやは考えます。 その理由は・・・

    インフレは通常、金利(長期金利・短期金利)の上昇を伴います。 まず長期金利が上がり、数か月~数年遅れて短期金利が上がるので、住宅ローン金利も含めた上昇順は、「長期金利 ⇒ 住宅ローン・固定金利 ⇒ 短期金利 ⇒ 住宅ローン・変動金利」と予想されます。 
       
       変動金利  ←  短期金利 (短期プライムレート ・ 政策金利) に連動
       固定金利  ←  長期金利 (10年物国債利回り) に連動

    ■関連記事 ⇒ 【マメ知識】住宅ローン金利と日本国債の関係

    ■参照サイト ⇒ 金利が1%未満の「変動金利型ローン」の落とし穴    ダイヤモンドオンライン
               アベノミクスで金利は「短低長上」になる?    日経マネー


    従って、「変動金利が上がる頃には、固定金利はとっくに上がっている」ことになります。 「変動が上がってきたら、固定に借り換えればいい」というのは、妄言に近いことがお分かりいただけるでしょう。

    また、「金利が上がる = 融資の条件が厳しくなる」ということです。 給与が上がりにくいこのご時世、悪くするとリストラにあっている可能性だってゼロではありません。 子どもがいれば、大きくなるにつれて教育費の負担も重くなっているでしょう。 いざ借り換えしようと思った時、はたして家計に余裕があるでしょうか?

    さらに、担保となる建物は経年で担保価値が低下していきます。 土地は下がるとは限りませんが、良くて横ばい、上昇する見込みは低いかもしれません。 なお、「インフレ対策には実物資産の不動産」というのも、日本の人口動態と不動産市場を考えれば、当てはまらないように思います。
    あくまでシロウトの予想ですので、外れても怒らないでくださいね(笑)

    ■参照サイト ⇒ 都市部でも深刻「空き家問題」 税制に原因も    日本経済新聞
               持ち家あっても安心できない どうする老後の住まい   日本経済新聞

    加えて、借り手の健康問題もあります。 通常、住宅ローンの借り換え条件の一つに、団体信用生命保険への加入があります。 5年・10年先、心身ともに健康だという確証はあるでしょうか?  

    話はそれますが・・・ 安易な借り換え提案をしてくるハウスメーカー・営業マンは、信用・信頼に値しないと断言してよいでしょう。 信用・信頼は、大切な家づくりの要素ですよ。 
    まさかとは思いますが、住友不動産さん、こんなセールストークしてないですよね???

    ■関連記事 ⇒ 【こぼれ話】家づくりにおける「安全と安心」「信用と信頼」-3

    ■参照サイト ⇒ 「頭金ゼロ」「家賃並みの返済額」セールストークにだまされるな!  ダイヤモンドオンライン


    補足と追記 (2013.01.05)

    金利は基本的に 「短期金利 < 長期金利」 の関係がありますが・・・ ここで論じているのは、同時点での金利の比較ではなく、将来の短期金利と現在の長期金利、すなわち、将来の変動金利と現在の固定金利を比較する場合です。 数字は適当ですが、以下のようなイメージ。

    【現在】  変動金利(金利優遇あり): 1.0%、 固定金利(20年超): 2.5%
    【将来】  変動金利(金利優遇あり): 3.0%、 固定金利(20年超): 5.0%

    ■参照サイト ⇒ 民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)    フラット35
                住宅関連金利の推移     イー・ローン
                住宅ローン 金利水準推移     三井住友銀行
                今までの住宅ローン金利推移から見えること     All About
                短期固定で借りると危ないって本当? 金利上昇期の住宅ローン選び  〃

    「将来の変動金利 > 現在の固定金利」 とならないまでも、変動金利が上昇すれば必ず総返済額も上がります。 変動金利の場合、金利の見直しは半年毎に行われますが、毎月返済額の見直しは5年に一度で、変更後の返済額も従前の1.25倍を超えないよう配慮があります。 しかし、この一見親切なルールが曲者で、その間に未払い利息が積み上がることになります。

    住宅ローンには多種多様あり、万人に当てはまる例を挙げて説明することが困難です。 従って、「インフレ時に変動金利で借りると必ず損をする」と言い切ることはできませんが・・・ 「変動金利が上昇すれば必ず総返済額も上がる」ことは確実。 「総返済額がいくらになるか分からない、先の読めない怖さ」を感じていただければ幸いです。 (((゚Д゚)))

    ■参照サイト ⇒  変動金利ローンに忍び寄る未払い利息の恐怖     All About
                変動金利の未払い利息はどういうもの?     All About
                変動金利型に潜むリスク     全国銀行協会



    けもやは変動金利否定派です。 ただし、絶対に変動金利で借りてはいけない、というのではなく、「変動金利で借りていいのは、ファイナンシャルリテラシーが高く、手元資金が潤沢な人だけ」と考えます。 

    ■関連記事 ⇒ 【マメ知識】家を建てる前に読んでほしい本(住宅ローンの正しい選び方・返し方)
               【マメ知識】変動金利型住宅ローンのリスク          

    忘れられがちですが、住宅ローンは金融商品の一種です。 仕組みを理解できないものに手をださないのは、金融商品を選ぶ際の鉄則です。 固定金利に比べて複雑な変動金利の仕組みを、きちんと理解できている方はどれほどいらっしゃるでしょうか。 

    また、住宅ローンを借りて家を建てることは、借金をしてレバレッジをかけて不動産(土地・建物)に投資することと同義です。 固定型が将来の金利上昇リスクを避ける「保険」とするならば、変動型は金利リスクを取る一種の「博打」といえるでしょう。 ギャンブルが全て悪いとはいいませんが、数千万単位の借金(住宅ローン)を背負ってまでの「博打」は、貴方の身の丈にあっていますか?


    以上を踏まえ、もし友人から「変動金利で借りたいんだけど、どう思う?」とアドバイスを求められた場合の、けもやの回答を考えてみました。 借入期間・金額が (1)500万円・5年間、(2)1000万円・10年間、(3)2000万円・20年間 、(4)3000万円・30年間、の4パターンだとすると・・・

    (1)なら変動でも可、(2)は10年固定を推奨、(3)は繰り上げ返済ができるなら10年固定+変動でも可、繰り上げ返済ができないなら全期間固定を推奨、(4)なら全期間固定を強く推奨、となります。

    (2)は5年固定+変動の選択肢もあります。 10年固定金利は銀行間の競争が激しく、金利優遇の額によっては、5年固定より10年固定の方が低い場合があるので、ケースバイケースではありますが。


    ちなみに、けもや自身が借りるのであれば、(1)~(4)すべて全期間固定金利を選択します。 「ファイナンシャルリテラシーはそこそこ高いが、手元資金はそれほど潤沢でない」ので。(笑)  たとえ短期間でも、インフレバイアスがある状況で変動金利で借りるのは怖い、とけもやは感じます。 固定金利分のプラスアルファの利息は「金利上昇に備える保険料 = 安心料」ということで割り切りましょう。 

    もちろん、借りっぱなしにはしませんよ。 手元資金に余裕ができれば繰り上げ返済しますし、金利がさらに低下すれば借り換えも検討します。 実際、現在の低金利の恩恵を受けるべく、借り換え手続きを行っている最中です。 けもや家の住宅ローン借り換え(フラット35、2.6% ⇒ 10年固定、1.3%)については、完了次第記事にしますね。

    ■関連記事 ⇒ 【入居編】元金均等住宅ローンの繰上げ返済シミュレーション計算
               【入居編】フラット35住宅ローンの借り換えを検討

    ■参照サイト ⇒ 「変動型」に傾斜する住宅ローン、反転リスクに警戒感も    ロイター
                インフレ対応 住宅ローンは固定金利へ、繰上げ返済も有効   マイベストプロ
                インフレに備えて住宅購入は正しいか?   HOME'S
               日銀のインフレ目標1%で住宅ローンはどうなる?  家づくりコンサルタントの雑記帳
               総選挙の結果から見る、今後の住宅ローンの金利動向は?  〃


    では、長期金利(新発10年国債の利回り)は、現在どう推移しているでしょうか? 2012/12/06に底値(0.685%)を付けてから上昇傾向にあるようですね。 といっても、2013/01/08で0.820%ですから、依然として底値圏にあるのは変わりませんが。 

    ■参照サイト ⇒ 長期金利推移グラフ(過去1カ月・1年・10年)    日本相互証券株式会社
               新発10年国債の利回り(1990年~)    ゴールデンチャート


    以上、インフレと住宅ローンの関係について3回に分けて考察してみました。 家づくりのプラン中の方、既に入居している方、時間的余裕があるこの時期に、資金計画について今一度考えていただければ幸いです。 ^v^

    ■関連記事 ⇒ 【マメ知識】インフレと住宅ローンの関係-まとめ
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               【マメ知識】インフレと住宅ローンの関係-2
               【マメ知識】インフレと住宅ローンの関係-3
               【マメ知識】住宅ローン金利・借入額・総返済額の一覧表-1
               【マメ知識】住宅ローン金利・借入額・総返済額の一覧表-2



    余談ですが・・・ 「インフレ対処のために資産運用が必要」とされる理由は、インフレ下では現金の実質価値が目減りするためです。 だからといって、慌てておかしな金融商品に手を出さないでくださいね。 世に出回っている金融商品のうち、9割以上は買うに値しないとされるものですから。

    資産運用ネタも掘り下げてご紹介したいのですが、時間が割けそうにないので、ひとまず過去記事をリンクしておきます。 ご参考まで~。

    ■関連記事 ⇒ 【マメ知識】家を建てる前に読んでほしい本(金融リテラシーを高める)
               【マメ知識】お金の仕組み作り(家計の見直しと資産運用)

    ■参照サイト ⇒ 「買ってもいい」運用商品全リスト   週刊ダイヤモンド マネーコラム
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    ★持ち家を考えている段階であれば ・・・ 世界にひとつしかない「黄金の人生設計」   橘玲
    ★家づくりを始めた段階であれば ・・・ 「住宅ローン」賢い人はこう借りる!   高田晶子ほか
    ★経済学の入門書として ・・・ 日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門 藤沢数希
    ★為替の教科書として ・・・ 弱い日本の強い円   佐々木融



    資産形成 ・ 資産運用の関連日記はコチラ♪

    けもやのおうち・目次 ⇒ 8. マメ知識 ⇒ 資産形成 ・ 資産運用の項をご参照ください



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