【マメ知識】住宅ローン金利・借入額・総返済額の一覧表-1
しつこく住宅ローンネタです。(笑) インフレと住宅ローンの関係について3回に分けて考察し、「インフレバイアスがある状況で変動金利で借りるのは、博打に近い」というお話をしました。
■関連記事 ⇒ 【マメ知識】インフレと住宅ローンの関係-まとめ
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【マメ知識】インフレと住宅ローンの関係-2
【マメ知識】インフレと住宅ローンの関係-3
【マメ知識】住宅ローン金利・借入額・総返済額の一覧表-1
【マメ知識】住宅ローン金利・借入額・総返済額の一覧表-2
では実際にインフレが起こって金利が上昇した場合、総返済額がいくらに増えるか計算してみます。 借入額と借入期間は、【1】2000万円・20年 と【2】3000万円・30年の2パターンです。 借入金利は、全期間固定金利で1.5% ~ 5.0%の0.5%刻みとしています。【*】 ちなみに、この記事を書いている時点(2013年1月)では、全期間固定金利は2.0%前後ですね。
【*】 2013.01.15 追記
1000万円・10年 ~ 4000万円・40年の一覧表は、こちらで公開しています。 あわせてご活用ください。 ⇒ 【マメ知識】住宅ローン金利・借入額・総返済額の一覧表-2
シミュレーションには、CASIOが提供している「高精度計算サイト keisan」のローン返済(毎月払い)を使いました。 このサイトの利点は、操作がシンプルなので条件を変えた比較が行いやすい点と、月々の返済額が初回から最終回まで一覧表示される点です。 また、複数回の繰上げ返済のシミュレーションに対応している点も評価できます。
■関連記事 ⇒ 【入居編】元金均等住宅ローンの繰上げ返済シミュレーション計算
■参照サイト ⇒ お金の計算・ローン計算 高精度計算サイト keisan
フラット35ローンシミュレーション 住宅金融支援機構
資金プランしっかりシミュレーション 知るぽると
たとえば、金利が 2.0% ⇒ 3.0% (+1.0%) に上昇すると・・・
【1】 2000万円 ・ 20年 では・・・
月返済額は 10.1万円 ⇒ 11.0万円 (+0.9万円) に上昇
総返済額は 2428万円 ⇒ 2662万円 (+234万円) に上昇
総返済/元本の倍率は 1.21倍 ⇒ 1.33倍 に上昇
【2】 3000万円 ・ 30年 では・・・
月返済額は 11.0万円 ⇒ 12.6万円 (+1.6万円) に上昇
総返済額は 3991万円 ⇒ 4553万円 (+562万円) に上昇
総返済/元本の倍率は 1.33倍 ⇒ 1.52倍 に上昇
当然、借入額が大きく借入期間の長い【2】の方が、金利上昇の影響を強く受けます。 参考のため月返済額も記してありますが、月返済額の上昇はわずかであるため影響を軽視しがちです。 月返済額ではなく、利息も含めた総返済額で考えるクセをつけてくださいね。
将来の固定金利(長期金利に連動)と変動金利(短期金利に連動)の動向予測は困難です。 ですが、これほどの低金利で借り入れできるのはおそらく、今が最後のチャンスではないかと思います。
あくまでシロウトの予想ですので、外れても怒らないでくださいね(笑)
インフレによる金利上昇懸念に加え、消費税の増税も予定されていますし、住宅取得を考えていらっしゃる方は、早めにアクションを起こされる方がよいかもしれません。 ただし、誰でもというわけではなく、「自己資金(頭金)が十分にある方は」ですよ。
繰り返しますが、インフレバイアスがあるときは固定金利で借りるのがセオリーです。 変動金利で借りる怖さについては、前回記事(インフレと住宅ローンの関係-3)をご参照くださいね。
■関連記事 ⇒ 【マメ知識】住宅ローン金利と日本国債の関係
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【マメ知識】変動金利型住宅ローンのリスク
■参照サイト ⇒ 「変動型」に傾斜する住宅ローン、反転リスクに警戒感も ロイター
金利が1%未満の「変動金利型ローン」の落とし穴 ダイヤモンドオンライン
今までの住宅ローン金利推移から見えること All About
短期固定で借りると危ないって本当? 金利上昇期の住宅ローン選び 〃
インフレ対応 住宅ローンは固定金利へ、繰上げ返済も有効 マイベストプロ
インフレに備えて住宅購入は正しいか? HOME'S
日銀のインフレ目標1%で住宅ローンはどうなる? 家づくりコンサルタントの雑記帳
総選挙の結果から見る、今後の住宅ローンの金利動向は? 〃
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さて、長期金利(新発10年国債の利回り)は、現在どう推移しているでしょうか? 2012/12/06に底値(0.685%)を付けてから上昇傾向にあるようですね。 といっても、2013/01/08で0.820%ですから、依然として底値圏にあるのは変わりませんが。
■参照サイト ⇒ 長期金利推移グラフ(過去1カ月・1年・10年) 日本相互証券株式会社
新発10年国債の利回り(1990年~) ゴールデンチャート
余談ですが・・・
全期間固定金利の代表格といえばフラット35ですよね。 フラット35の場合、借入期間が20年以下と21年以上で適用金利が異なります。 2012年12月の平均金利は、20年以下は1.8%程度、21年以上は2.0%程度で、やはりこちらも底値圏です。
■参照サイト ⇒ フラット35 金利グラフ (21年以上・全体) デザイン工房雅
住宅関連金利の推移 イー・ローン
フラット35で借入期間が20年以下のものは「フラット20」とも呼ばれます。 フラット20の登場は2007年10月で、けもやが借りた2005年8月にはまだありませんでした。 けもや家の借入期間は20年以下なので、もし当時フラット20あれば、0.2%ほど低い金利で借り入れできていたことになり、総返済額が約40万円少なくなっていた計算です。。。
「たられば」を言い出したらきりがないですが、もし、けもや家の借入当時の金利が2012年12月の平均金利1.8%であったならば、総返済額が約160万円少なくなっていた計算です。。。 今建ててらっしゃる方がうらやましい~。
なお、固定金利ではなく変動金利で借りていれば、ここ数年の金利低下の恩恵を自動的に受けれられたことでしょう。 ですが、変動金利で借りておけばよかったとは思いません。 固定金利分のプラスアルファの利息は「金利上昇に備える保険料 = 安心料」ということで割り切ります。
ちなみに、現在の低金利の恩恵を受けるべく、借り換え手続きを行っている最中です。 けもや家の住宅ローン借り換え(フラット35、2.6% ⇒ 10年固定、1.3%)については、完了次第記事にしますね。
■関連記事 ⇒ 【入居編】フラット35住宅ローンの借り換えを検討
【入居編】元金均等住宅ローンの繰上げ返済シミュレーション計算
さらに余談ですが・・・
ハウスメーカーによっては、住宅ローンのシミュレーションを行ってくれるところがあるかもしれません。 その際の試算条件は、ハウスメーカーや営業マンが信用・信頼に値するかどうかの判断材料になります。 もし、「頭金ゼロ・全額変動金利で借入、月返済額のみ記載」の計算結果を出してくるようであれば、信用・信頼に値しないと断言できるでしょう。
また、「変動が上がってきたら、固定に借り換えればいい」と安易な借り換え提案をしてくる場合も、信用・信頼に値しないとしてよいでしょう。 その理由については、前回記事(インフレと住宅ローンの関係-3)をご参照くださいね。 まさかとは思いますが、住友不動産さん、こんなセールストークしてないですよね?
■参照サイト ⇒ 「頭金ゼロ」「家賃並みの返済額」セールストークにだまされるな! ダイヤモンドオンライン
世界にひとつしかない 「黄金の人生設計」 | 「住宅ローン」賢い人は こう借りる! | 日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門 | 弱い日本の強い円 |
★持ち家を考えている段階であれば ・・・ 世界にひとつしかない「黄金の人生設計」 橘玲
★家づくりを始めた段階であれば ・・・ 「住宅ローン」賢い人はこう借りる! 高田晶子ほか
★経済学の入門書として ・・・ 日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門 藤沢数希
★為替の教科書として ・・・ 弱い日本の強い円 佐々木融
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